まずはじめにスパコンから少し説明。
去年の11月、富岳がスーパーコンピューターの国際会議「TOP500」で2連続で1位になり、同年11月に出した研究結果「喋ったり咳をした場合の飛沫飛散の様子を可視化し有効な感染対策を提案」したニュースで話題となりこういう事に使えるんだとそこで初めて知った方も多いのではないでしょうか。
富岳の研究成果 理化学研究所 計算科学研究センター(riken.jp)
TOP500は6月と11月の2回行われるので、今月にも次の1位が出るんですね、楽しみです。
さて、現段階で1位の富岳の能力はどの程度かというとこうしたコンピューターの性能を計測する時にFLOPS(フロップス)という1秒間に何回計算が出来るかというとてもシンプルに確認出来る指数があります。
富岳 | 京 | 高性能なCPU (i9-10900) |
41.5京回 | 1.5京回 | 1兆回 |
1 | 1/36 | 1/407,100 |
富岳を1倍とした場合、一般の人が入手出来る中でも高スペックなCPU、i9-10900でも1,019.4GFLOPS程度なので、1秒間に1兆回だから40万分の1程度…ってまぁこれもこれで凄い訳ですが、一つ前のスパコン京と比べて36倍速くなっているんですね、とんでもない。上の表はかなり無理やりな比較ですが速いパソコンで1時間かかるような処理を1秒でやっちゃう凄い奴です。
普通のコンピューターとの違いは並列で処理するだとか圧倒的に早いだとかで、明確な区切りは無さそうです。
パーソナル(一般的)でないスーパー(素晴らしい・極上)ならばそう呼べるという事、ちなみに1998年11月のTOP500では、アメリカの国立研究所のスパコンが1,338GFLOPSだったので、今では一般的なPCも20年前ではスパコン並みの性能だった訳だ、この分野は技術の進歩が特に顕著なんですね。
さて、比較されるスパコンとはこういったモノでしたが、量子コンピューターとは何でしょう。
量子とは何か
量子=原子や光子、電子など物を形作っている物質の最小単位の事で、例えば水はH2OでHは水素原子、Oは酸素原子です、水素2個と酸素1個がくっついて水(分子)になります、この水素や酸素という最小単位の事を分類としてひっくるめて「量子」と呼びます。
2重スリット実験と呼ばれる量子を観測する実験で「観測すると結果が変わる」というとんでもない事態になり、量子力学はまだ研究中の物質だという事がわかります。
二重スリット実験 – Wikipedia
二重スリット実験:量子計測:研究開発:日立 (hitachi.co.jp)
量子コンピューターとは?
現在ではまだ研究中の量子力学ですが、分かっている段階(量子もつれ・量子アニーリング)を使用した量子コンピューターは既に存在します。GoogleとNASAが共同開発・研究しているというD-Waveです。
グーグルの量子コンピューター、従来型PCよりも「1億倍高速」と発表 | WIRED.jp
D-Wave Systems – Wikipedia
場合の数の最適解を出す場合に効果的で、量子は小さいのでチップも小さい。ので、量子コンピューターは小さいかというとラックサーバーのように大きく、小さくても発熱も凄いので冷やす仕組みを作る為に大きくなってしまうよう。
そして実際には量子コンピューターとは言っても解明された本気の量子コンピューターではなく、量子の性質を利用した計算をしたコンピューターという状況で、まだ本当の意味での量子コンピューターは存在しない。
二重スリット実験は今居るここが仮想現実だという証拠なのではないかというような話も飛び交う中、研究が続けられている、技術の進歩と共に見えなければ良い物も見えてくるのももうすぐなのかもしれない。
これはよもやま話だが
「量子がコインの表裏両方の性質を持って存在する(量子もつれ)」を使って、「場合の数」でパターン計算をさせた場合、例えば30通りの場合の数は2.65溝(10の32乗)パターンあり、富岳で計算させた場合、2020万年経っても計算は終わりませんが、完全に解明された量子コンピューターならば一瞬で終わっちゃったりするのだろうか。
今なら仮想通貨掘るだけで牛耳れそうだし、思考パターンに置き換えられたらヒューマン以上のハイヒューマンが…え?ニュータイプ?まぁどっちでも現段階の人類という種はどこかで切り替わってしまうのだろうか。