サイトアイコン イマカラ

家庭科の授業に「金融教育」。え?家庭科…?文部科学省-[Ministry of Education]

高校の家庭科「家計管理」の授業に、
金融商品による資産形成を含めた金融教育が追加されます。

新しい学習指導要領、高校生は2022年度から。

2022年4月からの予定ですが、はてさて。

「将来の予測困難な時代のリスク管理の考え方について理解させる」
「事故や病気、失業などのリスクへの対応策の必要性を理解させる」
「株式、債券、投資信託など基本的な金融商品のメリット・デメリット」
「資産形成の視点」

家庭科の先生達は

「そもそも家計管理が既にいっぱいいっぱい」
「実務無しで投資家目線では教えられない」
「資産形成とか将来の利益試算って家庭科の範囲なの?」
「これまで通り消費者目線の事を教えれば良いんでしょ?」

などなど戸惑いが隠せないご様子。

配信期間:~2022年1月31日(月)まで。せめて3月末まで公開してあげてくれ…

裁縫や調理実習、家計管理の授業をされていた先生が、
株式や債券、投資信託の事、将来的な利益の予測や計算、外貨預金とFXの違い等々の質問をされている姿を想像をしてみよう。

イメージは湧くだろうか。

ろある程度の速度感で変わっていく仕組みや過去から現代にかけてどのように変わっていったか、またどのようになるかを計算しなくてはならないので

歴史や社会と数学・政治経済の複合分野

と、私は思います。

新たな「金融」という教科を作ったとしても現場はすぐには対応出来ないだろうから、歴史や数学、政治経済の中に「金融教育」を作って、初めは小学校からやり始めて、中学で分類が分かれて、高校で深度を下げれば良いように思います。

日本は金融教育の後進国、教育者の給料が低く、時間の制限が厳しい、権限も薄くストレスも尋常ではない「今ある」状況が「今の状態」を作っているのに、さらに負荷を増やし「今あるものでやるしかないでしょ」と投げつける。

この対応こそが後進国たる所以なのだと思う。

その内先生のなり手が居なくなると思うので、居なくなったから給料上げるとか人増やすとか後手対応をするのでしょうが、それはまた別のお話。

金融教育の先進国ってあるの?

金融に対する学校教育で「この国特別すごい」みたいな飛躍的に進んでいる国があるとはどうも思えません。
アメリカやイギリス、オーストラリアでは子供の頃からお金について勉強します、ゲームで、シミュレーションで、座学で。しかし子供の頃から金融の事を学校で教えているから、皆それについて明るくなるのでしょうか?

恐らく答えはNO。

金融能力の高い、金融リテラシーの高いが子供に教育として「体験」させるから、大人になってからも自然と行動に移せるのだと思います。

金融能力の高い親は「収入と支出を管理しなければ資産に影響が出る」程度には年収が高く、実体験として金融管理の恩恵を受けているんだと思います、そうでなければ、益や害を受けなければ本質は分かりません。

実体験として本当の意味で「生きる力」として必要な金融教育を家で体験させていれば、大人になっても直接頼れる人もいるし、社会的にそういう雰囲気なので気軽に勉強も出来るでしょう。

日本に目を戻しましょう、今金融教育の無い日本の子供達・体験の無い大人達は

資本や時間を伴うお金の意味が分からないから、貯蓄をする意味が分からない。
貯蓄の意味が分からなければ利子や複利の仕組みも興味が無いしなんか怖い。
リスクが分からないから分散する意味も分からない、本人は投資のつもりだが投機だという事に気付けない、そもそも所得や社会保険料、税の仕組みを知らないから収入と支出を管理出来ない。
根本的なモノの価値の捉え方が分からないから剰余価値、時間や使用で減価される現状価値を理解する事が出来ない。

最近KTAGさんが記事にしているマルクスの資本についての捉え方やルソーの教育思想には大人が今学ぶべき本質が多く含まれているように思います。

この社会の協力が必要不可欠で相応な算術能力と経験と理論の反復を
「家庭科の先生だけが教える」んです、笑えません、もうなんか可哀そうです。

で、まぁ教えられる人も当然いるだろうし、
オンラインである程度一律な覚えやすい方法で教えられたとしても、

それを家庭科の先生は目の前の子供達に「噛み砕いて教える」訳ですが、噛み砕き方が分からない、↑の理由で。

優しい内容でふわっと教えて後は自分で出来る?それは天才のソレです。

やはり体験として学ばなければ自分には刺さらないのではないかと思います。

例えば。

複利計算を子供に体験してもらう。

子供に毎月5,000円の小遣い、その年のお年玉が40,000円あったとします。
これを12月31日『最後に残っていたお金に利子として10%あげる』としましょう。

・全て残っていれば10万円の10%なので1万円。
・5万円残していれば5,000円。
・1,000円しか残っていなければ100円。

その後にまたお年玉や小遣いを渡し、何かを買う時に色々想像させます。
考え無しに使ったって怒らなくていいんです、後で自分がもったいない事したなぁと思えば怒られるよりも余程聞く子もいるでしょう。

これを高校生になってバイトした分も全て合算してあげればより面白くなるし、大学卒業まで続ければ自然に金融に対する体験をさせ、感覚を養う事が出来ます。

で、これは何なのか聞かれたら「キミは今まで複利でお金を増やしていたんだよ」

と既に体験していた事を伝えられる訳ですね。

定期で毎月5,000円、生まれてすぐに始めて大学卒業までに132万貯め、一気に全部渡されても、本人は何も知らないので「良く分からない132万」を使う、もしくは結婚式の費用や車を購入する費用を親が出してくれた程度の認識になり、感謝はされると思いますが本人の経験値には入りません。

その132万もあまり上手には使えないかもしれませんね。

小学校1年生から始めて大人になるまで利子で50万渡すのと、
定期で0歳から続けて132万渡すのと、(0.1%で13,000円、0.01%で1,300円の利子)

どちらか効果的か、一目瞭然ですね。
22年間高効率の定期を選び続けても最終着地で年590円とかです。
NISAで人気ETFに置いておくだけで年2,400円ぐらい配当は出るので、どう捉えるかでしょうね、まぁ自身でよく考え、行動すれば良いだけか。

これは一つの例ですが、自分の時間を有意義なものにし、新たな交友関係、知見を広げ、それによって事業を興すも良し、自由な時間により生まれた発想を世に送るもよし、生きる力を具える為
お金に働かせる事を体験として覚える事が重要だと感じます。

そして「効果が高いと思ったならすぐにやる」べきだと思いますが、そもそもこうした発想が出なかったり、実行し辛いのは日本の現状を見れば当然かもしれません。

支出をコントロール出来るほど収入が無い、確定支出に呑まれ、金融管理の恩恵を受けるどころか、金融能力の強化に時間を使う事が出来ない。

いわゆる空白の、失われた30年ってやつですね。

雇用を守ったと言えば聞こえは良いですが

・退職したらペケが付く、レッテル付きになる印象も同時に作られ
・様々な業種、役職を経験する事による対応力を育む機会を阻害され
・税種を増やし増税、市場からお金が減るので物価は上がるが所得は増えない。
・「国の借金というウソ」問題があり、速やかに対処出来るのにしない政府。

日銀、財務省、国税庁が小学生に対しての金融教育を公開しているが、
ここに「国の借金というウソ」が含まれている時点で子供に勧めたいとは思えない。

親が分からないのに、どうして子供に教えられるのか。

分かる子は全てを教えられなくても、情報をキュレーションし自身で道を切り開くでしょう、しかしその他大勢は「実体験を伴わないズレた教育」で、この先を歩かなければならず、ズレた常識のまま大人となってしまうかもしれない。

日本はより盤石な金融教育後進国へ突き進もうとしている。

…と、感じるのは私だけだろうか。

国の借金のウソ問題が解決すればUBIもやれるし消費税の撤廃も所得税や法人税の控除額を引き上げたり社会保障周りも随分良くなると思いますが、それも多くの定年を超えた人達が国を引っ張っている時点でかなり難しい話なのかもしれませんね。

ではでは。

モバイルバージョンを終了