絶賛どこもかしこも袋小路の制度疲労国家ジャパン。
政府に企業の賃金決める権限って…ありません…よね?
「権限は無いけど政策的圧力で強行^^」
…もう、怖い。
さて、とりあえず最低賃金を見ていきましょう、厚労省のページより各都道府県の最低賃金答申状況です。
もう900円台の都道府県は見当たりません、時給1,000円以上は確定です。
去年の加重平均まさかの51円アップで徳島は84円アップ!?なんて騒いでいましたが、今年は全国加重平均66円アップだそうです。
元々重い部分である人件費にさらなる重しが、これは確実に中小企業をツブしにかかっていますね。
しかし今回は実行日が来年とか…やはり準備期間は相当必要ですよね、令和6年度は10月1日~10月27日ぐらいだったのに、秋田とか来年の3月ですよ。
目標1500円!という事実上の前提は民主的では無いし、政治介入が…まぁ今更か。
さて、こんな感じで10月から引き上がっていくと思いますが
最低月額の推移と計算
東京の最低賃金の上昇による月額の推移を見ていきましょう。
最低賃金による最低月額の計算は仮に年間休日115日として見てみると
250日 × 8時間 × 時給 ÷ 12ヵ月 = 月額
週休2日以上(115日)、1日8時間労働だとするとこんな感じですね。
(2025) 1,226円 = 204,333円(仮)
(2024) 1,163円 = 193,833円
(2023) 1,113円 = 185,500円
(2022) 1,072円 = 178,667円
(2021) 1,041円 = 173,500円
(2020) 1,013円 = 168,833円
(2018) 985円 = 164,167円
週休2日以上にした上で8時間労働だからこれ以下だとバイトみたいな感じになるので多分一般的な中小企業の最低ラインぐらいじゃなかろうか。
なんと東京で働く場合は中卒だろうが何だろうがとりあえず残業ゼロでも20万円越えがスタートラインになるようですね、神奈川も1円違いだからほぼ同じ。
過去最大級の上げ幅、どんなリスクがあるだろうか。
まずは当然元々相当に重いであろう人件費が急激に増え資金繰りが悪化する事。
東京で言えば5.4%上がりますので最低賃金ギリギリでアルバイトやパートを雇っている「時給が安くても人が来るから最低賃金で良い」もしくは「体力的に最低賃金までしか出せない」事業者はその部分の人件費が純粋に105.4%になります。
さらに正社員も当然最低賃金が影響しますので、もしも最低賃金が給料に追いつくなんて事があれば「バイトと同じか…」となりモチベーションは保てなくなるでしょうし、当然離職に繋がりますし残業させていればさらに増えていきます。
社会保険の適用拡大もありますので社会保険の負担もさらに増えます。
続いてそれに関連する問題ですが、最低賃金上昇により130万の壁にすぐ到達してしまうので基礎控除とか色々増えたけど結局社会保険の壁が消えていないので何の解決にもなっていない問題。
1,163円だと1,117時間で1,299,071円ですが、
1,226円なら1,060時間で1,299,560円です。
実際にはこんなピッタリに出来ないし少し超えても申請する事で調整出来たりはしますが、突き詰めれば社会保険の壁を超えない為…というか所得の事を考えれば1人あたり年間57時間働く時間が減るワケです。
大企業は問題無いかもしれませんが、中小企業は人件費の上昇分を価格にすぐに転嫁する事はそうそう出来ません、下請け云々はもちろん価格競争の激しい飲食店や小売店は利益を圧迫。
介護なんてそもそも…吸収不能で人財流出待ったなし。
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制度のタテマエと現場というか実態の乖離がもう…石破さんが全国平均1,500円目標!とか赤沢さんが6%じゃなくて6.4%にすべき!とか審議会でどうこうする以前に、前提が政治的な圧力に影響されすぎているし、これは言い過ぎなのでしょうが「審議」という民主的なプロセスを形骸化しているようにも見えてしまいます。
その圧力をかけた総理も国民は直接的には決められません、選ぶのは(ほぼ)与党です。
総理の目標発言で「そう動く」のに、その総理の発言に対して国民は是非を問えない、それを本来問うべきは国会議員ですが…まぁこれはそういう仕組みなのでどうしようもありませんね、透明性があればこのままでも良いけど違うし今の仕組みで経済成長しているなら良いけどずっと停滞しています、大きな変化が必要です。
金利・物価・賃金・財政・政治・インフラ・GDP・税収…様々な要素が複雑に絡み合いながら袋小路に陥っている今、減り続ける日本国民の数を増や…いや、止められるか、好循環させられるか悪循環を続けるか、縮小を続ければ衰退と格差の拡大は止まりません、まだ日本人が残っている内に「出来る」か「出来ない」のか。
政治の役割は社会で均衡の取れていない構造をその責任をもって是正する事だと思います、ならばこそ権限のある人物ですから国会議員が罪を犯せば国民よりも重くあるべきですし、税金も法人個人どちらのものでも良いですが同様に課税しなければ無駄な使い方をするのは当たり前です、そのどちらも緩く議員の報酬は国民の平均年収の倍以上…いや、3倍以上という違和感。
責任ある者こそが、最も厳しく問われるのがあるべき姿だと思います。