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物件購入の判断材料「所有権vs借地権」長期資産運用の選択肢。

借地権の物件は買っちゃいけないとか、後悔するぞと
烙印付きで悪印象でネガティブになりがちなこの「借地権」について。

メリットやデメリットについて現役大家目線で見ていこうと思います。

あ、ちなみに私の物件は全て所有権です。

不動産賃貸業としての目線というよりも長期保有の資産運用的に賃料を支払うってのが私のスタイルに合わない為です…ので、結構所有権依りの捉え方だと思います。

所有権

これはもうシンプルですね、所有権のある場所を自由に使える権利です。
景観法とか都市計画制限とか他の法律が干渉しない範囲で自由に。

当然固都税は建物も土地も支払いますし、購入時も上物も地面も買うので高額です。

…高額ではありますが借地権で地代を支払い続けても所有出来るワケではありません、毎月20万円支払うなら10年保有で2400万、30年保有で7200万支払いますがそれは支払って終わりです。

もしも所有権ならその土地が購入時1億円、売却時も同額ならそれまで支払った分は返済であり、売却時に税金以外は全て手元に残ります。

地面は建物のように減耗するものではないので、借地権を提供する側から見れば建物を貸すより遥かに良い資産運用ですね。
固都税の分まで地代でもらえるし、修繕は必要無いし、管理費はかからないしむしろもらえるし、変な事しようとしても止められるし、上物を売る時の判断はこちら次第だし。

金融機関も借地権は条件によっては選べる商品も限られるし融資し難いってのもあってほぼフルで借入をお願いする私としては選べない選択肢。

借地権

その名の通りですね、地代(家賃)を支払って「土りる利」の事です。
文字の並び的には借りた土地の権利?まぁどっちでも良いか。

メリットとしては
・所有権に比べて土地の分が無いので物件購入価格を抑えられる
・取得時に土地の移転登記費用(地価3%)と土地の取得税(3%)が無い

デメリットは
・土地は借りているので地代支払いにより資産が増える事はない
・所有物ではないので何をするにも地主の承諾が必要
・借地権自体のデメリットを上回るメリットが無いと好条件でも売れない
・融資が難しくなる、軽く後述しますが金融機関が融資の条件を満たし難い

所有者としての負担である固都税などの責任はありませんが地代を払うので明確にメリットと呼ぶには少し弱いですね、さらに底地の保有者側は地代が固定収入になりメリットですが今回は大家目線なので除外…というか安定した収入源、土地の保有、土地価格の上昇、借地契約の条件の優位性、管理コスト減と地主側のメリットが大きい、つまり…?というコトですね。

底地(借地権付きの土地のこと)の権利は地主にあるので、底地に建物を建てる場合も増改築する場合も建物を売却する場合も地主に確認が必要です。

固都税はかかりませんが地代を相当分以上に支払うのが一般的ですし、借りているだけですので地代をいくら支払っても自分のものにはなりませんし、契約期間が過ぎれば更地にして変換しなくてはなりません。

借地権に適用される法律は
1992年8月1日以前のものは借地法(旧借地権)、以降は借地借家法が適用。
生存権やら権利制約やらちょっと重めの争いがあるので法律についてはWikipediaやe-Govで平成3年法律第90号をご確認ください。

ショッピングモールとかが主に使ってる定期借地権なんかは契約更新が無いので結構問題が起きていた…というか今でも起きてるのかな、そういう契約だと思って入れば大きな問題はありませんが、契約を新たに結びなおしたいという場合は大問題、健全性の為に再契約は貸主次第って状態は天秤が傾いた状態ですからね。

ちなみにその定期借地権全般かつ特に建物譲渡特約付きという借地権の場合は住宅ローンを組む際、障害になります。

銀行も抵当入れたいのにわざわざ申請出さないといけないし通らなければ時間ばかり過ぎるし、そもそも都度承諾料を請求されたらたまったもんじゃありませんからね。

個人の場合、新居を建てようって場所を探して「良い場所なのにキレイな建物で割安だからコレにしよう」と契約を確認せずに決め、重説の時も全てよくわからないから聞き流したとしたら半年後ぐらいには十分に絶望を味わっているコトでしょう。

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「借地権」で購入しようとしているなら、一度全力で調べましょう。
土地はあなたのものにはなりません、上物に自分が住み、賃貸で収益をあげたとしてもあなたも土地という部屋を借りて家賃を支払っている状態です。

借地権でも良いという状態は当然あります、が、家や土地は資産として長期で見る資産です、取得にかかる費用、支払い続けた後の事、自分の見据えるゴールではどのようになっているのか、必ず計算してから所持するようにしましょう。

良き資産形成を。

ではでは。

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