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【こっちを減らしたからあっちを増やす③】ついに役員賞与(事前確定届出給与)にもメスが入るか

ヒアリング等の結果、月額報酬と役員賞与を差し替える節約方法に気付かれたようです、誰かが税理士YouTuberの動画でも見られたのかもしれませんね。

報酬を極端に低くして、賞与で残りを受け取る事の何が問題なのかというと

通常の給料には
健康保険料=50等級(年1668万円まで)を上限として負担、
厚生年金保険料=32等級(年798万円まで)を上限として負担していますが、

厚生省の言う「高額な賞与を支給しているケース」では
健康保険料=極端に低い報酬分プラス年573万円の負担、
厚生年金保険料=極端に低い報酬分プラス年150万円の負担で済んでしまいます。

下の方に

標準報酬月額の現在の最高等級(139万円)が創設された当時、民間の年間平均賞与月数が4.12ヶ月分で あったことを踏まえ139万円×4.12=572.68で設定

と記載されていますね。

事前確定届出給与を例えば「廃止」とすると民間の平均賞与月数が今、当時設定されていた「4.12か月分」という事は無いのでむしろ同じ計算をするなら上限はむしろ減ってしまうような気がするので、結局何もしないで終わる可能性もあります。

毎月40万円のボーナスが165万円弱で、60万円の人なら250万円弱になってしまいますからそんなもらっている人はいないでしょう。

以前から…というかこの話は今に始まった事ではなく界隈では昔から有名な社会保険対策のひとつですし、大手の方もゴニョゴニョして使っているんじゃないかな?

数値で超ざっくり見てみると

こんな感じ。(介護保険2号:40~64歳の方)

月額報酬100万円の人に企業が負担する総支出は1200万ではなく

極端な報酬賞与のケースだと1260万6千円
通常の報酬のみのケースだと1336万1千円

となり(社会保険料を含む)、ただ報酬で100万円払うよりも一度に賞与で支払う方が75.5万円支出が少なく済みます。

そして個人側は支払う社会保険料が減る為

極端な報酬賞与のケースだと可処分所得は986万、月82.2万円
通常の報酬のみのケースだと可処分所得は920万、月76.6万円

となり、ただ報酬で100万円もらうよりも多く手元に残ります。

この制度を「都合により…」ではなく「あえて」使う時の問題点として

 本来支払うべき所得範囲の負担が減っている為、社会的公平性に欠けた行いであるといえ、将来受ける予定の老齢厚生年金が減るだけでなく、将来世代の給付水準(定型文)への影響を鑑みればそれほど正しい対策ではないと言えるでしょう

しかし、ではなぜこれを活用する人がこれほどいるのかというと

極端に不当で不透明な運用をされている可能性

を拭いきれないから。

…まぁ実際はわからずお得だからやっているという事もあるでしょうし、そもそも役員への賞与は一定額でないので普通に支払っても経費にはなりませんので、経費に出来るこの事前確定届出給与で「役員に対するボーナス」としてただある制度を活用しているだけだと思います。

社会保険料がどう拡張しても正しい循環目的があれば全く問題は無いのです。

社会的公平性を高めるための制度自体に否定的な意見はありません、社会保険料が上がろうが所得に係るルールがどう変わろうが何であろうが徴収したものが

「格差を抑制するという目的を持っている、それが適正に使われている」

のであれば、社会を支えている仕組みですので文句などお門違いです。

景気が良ければ徴収したものを運用すれば良いし、
景気が悪ければ再び成長するまで国庫で支えれば良いだけです。

とてもシンプルです。

しかし!!

厚生年金保険制度回顧録によると年金制度の生みの親花澤武雄氏の

「金が払えなくなったら賦課式にしてしまえばいい。」(当時は積立式)
「それまでの間にせっせと使ってしまえ」
「厚生省の連中がOBになった時の勤め口に困らない。何千人だって大丈夫だと。」
「厚生年金保険基金とか財団とかいうものを作ってその理事長というのは、日銀の総裁ぐらいの力がある」(実際に1966年に「厚生年金基金」として創設されたが2014年4月に原則廃止、令和6年3月末時点で残り4基金で残試算の運用総額2兆円)

「世代を超えた年金制度」が成り立つはずがない…その不都合な真実は「厚生年金の歴史」を知ると理解できる「払うのは先だから、今のうちにどんどん使え」が本音だった – プレジデントオンライン(渡瀬 裕哉)
1988年発行の『厚生年金保険制度回顧録』の中で、花澤氏(初代厚生省厚生年金局年金課長)が語った言葉をそのまま引用しよう。 – プレジデントオンライン(渡瀬 裕哉)

という、なんとも気分の悪くなるお話が出たのはなんと1988年、厚生年金保険制度回顧録で制度の創始者が「だから作った」と言ったその目論見というか予定通り年金の負担は増え、受取額は減っているではありませんか。

これでは自分がいざ受け取る時だとなった時に現役世代を苦しめ吸い上げる一員となってしまう事もそうだし、負担を増やさないと同じ水準も保てないような運用では自分が高齢者となった時に受け取れる年金が少ないというのは自明の理。

令和5年度の出生数は72.7万人、死亡数は157.5万人です。
婚姻者は47.4万組で離婚者は18.3万組です。
令和5年(2023) 人口動態統計月報年計より – 厚生省

もう何年も前から子供が生まれる数よりも死亡する数が多くなっているんです。

オレンジが死亡数、青が出生数です。
厚生省のデータですが、正確には2004年頃から逆転し始めているのが分かりますね。

国民負担率は五公五民どころではありませんし、実質賃金は下がり続ける。
子どもを産み育てたいと思える環境ではなくなった日本。

古事記にある最古のヤンデレイザナミが1日1,000人殺してくるからイザナギが1,500人子供を産ませなければならないという話を思い出しましたが、今イザナギは毎日2,000人産ませているけど、イザナミが毎日4300人殺してくるという地獄のような状況。

今、日本の人口は1億2359万人(2025.1.1時点-総務省統計)です。
今より一切悪くならず維持したとしても85万人ずつ減っていき、25年後には1億人を切ります、維持で。

・・

・・・

もうここらが分岐点、立ち上がりましょう。
国民一人の力は微力ではありません、不安だから今までと一緒で良い、変化なんてしないで逃げ続けて文句だけ言うのは楽かもしれません。

国民が貧しくなったのはなぜか、誰のせいか。
国の舵取りを誰にするか選んだのは…私たち国民です。

ならば選べば良い、自分がして欲しい事をしてくれる人を。
今はまだそんな人はいないのかもしれない、マシだと思う人がいないかもしれない。

ならば苦しめてくる人がいるなら、その人に投票しなければ良い。
分からないから何も書かないで入れるのではなく、当選してほしくない人に入れなければ良い。

これからの日本の為に、出来る限りで良い、出来る事をしましょう。

ではでは。

【こっちを減らしたからあっちを増やす①】高所得者=年収798万?厚生年金範囲拡大
【こっちを減らしたからあっちを増やす②】在職老齢年金支給停止条件緩和
【こっちを減らしたからあっちを増やす③】事前確定届出給与&回顧録&人口推移

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