はじめに。
私は相続税そのものを無くすべきだとは考えていません。 責任を伴わない富の世襲には、人を弱くし、努力を怠るきっかけになり得る側面があると考えます。
それこそ「2代以上安泰な資産」を野放しにすれば、長期的には社会全体の活力が落ちる可能性すらあるのではないか。
そのため、少なくとも「3代以上、何も考えずに暮らせるレベルの資産」については、たとえ多重課税になろうとも社会全体の持続的な成長のために富裕層による富の再配分が必要だという立場です。
…と、考えてはいるのですが現実の制度を見ると
「3,000万円+法定相続人×600万円」とかいうしょぼい控除額、2代どころか努力して蓄えるだけ負担を押し付けてしまうレベル、もはや一般家庭+レベルの資産でも普通に課税対象になりそうです。
そしてこれにより算出された課税遺産総額に対して…
国税庁の試算によると、課税遺産総額15200万で奥さんと子供が二人という事で控除額は4800万なので旦那さんは2億円の相続財産があったという事が分かります。
で、奥さんは旦那さんが亡くなった日から10カ月以内に1580万円をキャッシュで支払う事になり、お子さんは各々560万円を支払う事になります。
これが現金で2億円残っていたならば奥さんは1億円、お子さんは各々5000万円ずつ持っているので何の問題もありませんが、これが不動産だったら?何かの権利だったら?保険商品とかだったら…?
収益物件ならとりあえず10カ月分の収益で借入の状況によってはもしかしたらなんとかなるかもしれませんが、収益を生まない自宅も混ざっていたら?親子でキャッシュで2700万円も10カ月以内に支払えるかな…?そして相続放棄と。
財産を成した旦那さんも浮かばれませんね、ほぼ全てが自宅だったとしたら、家を売らないと現金が作れないけど、売ったら住む場所がないし手放したくない。
→詰み
対策しないのが悪いといえばその通りかもしれませんが、自分がいつ死んでしまうかなんて分からないし、そもそも制度が難しすぎるし説明が足りないすぎるんですよ。
もうなんかちょっと余裕出て来た庶民の生活は破壊しちゃおうぜ制度みたいな…相続税が生まれた1900年頃?の明治の日本では超富裕層だけが対象の上に税率は5%以下という地主とか財閥ぐらいしか対象にならない富の世襲防止の仕組みだったのに、戦後(昭和22年頃)にGHQが相続税を強化し大改悪…アメリカさぁん!そして2015年、安倍政権にて基礎控除を40%カットで「3000万+600万円×法定相続人」に…って安倍さぁん!って違うか、そもそもアメリカさんも庶民課税なんかしてないし、OECDはキャッシュフロー課税とかも考えている訳だし富裕層への課税に対してアメリカの水準を超えなければその改革に文句を言う理由がありませんのですぐに変えられますね。
理由:財務省が税収を手放したくない。
はい、ほぼ確でこれですね。
相続税はがっつり取りやすいし現金だし富裕層(自分たちや味方)は対策して逃げ切れるし対策できない庶民からがっつり効率よく取れるし…ってきっついなぁ。
で、さらに国が推奨する新NISAやiDeCoは運用益こそ非課税ですが、相続すれば課税対象になります。 長期的に国民に「非課税投資」を促しながら、最終的には相続税で回収する構造になっているのは…どうにも腑に落ちませんね。
この長期スパンで大局を見通す圧倒的利口さをなぜ維持方向ではなく成長方向に活かさないのだろうか🤔
例えばアメリカの遺産税のように基礎控除1,500万ドル(2026年度)で課税対象は本人という制度なら現在の相続税の「所有権移転に対する税だから…」という建前も通用しなくなります。
米国の制度大好きなのにこういうのは真似しないの不思議です🤣
相続税は多重課税であるという現実
相続税は「財産の移転に対する課税だから別物」という建前がありますが、 実際に払う側から見れば同じ資産に何度も課税されているという事実は変わりません。
不動産を例にすると
1.「登録免許税」
2.建物に対する「消費税」
3.土地・建物の「不動産取得税」
4.毎年かかる「固定資産税」
5.同じく毎年「都市計画税」
そして相続税。
収益物件なら修繕や管理にも消費税がかかります。
これだけ課税された資産にさらに掛けてくる。
富を増やすということは社会の需要に対する能力を発揮している状態
富は富を呼び、貧富の差があってこそ成り立つからこそ富の再配分という意味で相続や遺産に対する税徴収はとても重要な意味があるように思っています。
しかし地価や物価などに対して控除額が異常なほど低いため、むしろ「富を奪う」事となり、富を増やせるようになる段階に行く機会を奪います。
つまり言い換えれば「国力を弱める行い」とも言えます。
貧富の差があってこそと言いましたが、その貧困層が消費も労働もできない状態だと当然生産性は下がります。
貧困層を消費できる層まで引き上げることで単純な福祉ではない、労働力と合わせ「消費者を育てる」行為に昇華するのではないか、そしてその引きあがった貧困層は市場を生み、消費税などを含む五公五民を超える税徴収で疲弊した中間層が子供を諦めている中、消費勢力、少子化を緩和する勢力が一つ増える。
目先の改善点
相続税を…という事もモチロンありますが、そんな人生に1度みたいな事だけではなくやはり気になるのは「安すぎる上に甘すぎる法人税」「赤字でも別途で支払う賃上げ妨害税、消費税」。
消費税が上がるたびに下がってきた法人税、「それすらも払えないなら退場しなさい」とでも言わんばかりの最近の税制からすればむしろ法人税が赤字でも払うようになれば良いし、それこそ純利益1兆円に対して法人税ゼロみたいなS社は有名なんだから、例えば法人税は「EBITDA-減価償却費」とか「キャッシュフロー課税」みたいな現金の結果に対して課税するようにすれば公平性は高いし…
法人税の最高税率が23.2%というのも低すぎる。
個人税率はMAXで所得税45%の住民税10%でそれ払った後に消費税10%ですよ?
そう、消費税。お金を出して買うほぼ全てのものに約10%がかかる鬼のような税金、そもそも「消費」税だけど支払うのは「消費」者ではなく事業者の売上に対して。
売上に対して事業者が負担するもので、事業者はたとえ赤字であっても消費税は別計算なので赤字でも支払わなければなりません。
全て8~10%と逆進性も無視できない水準、所得が低い人ほど所得に対して重い負担になる上に複数税率に設定されインボイスという制度のきっかけにもなりました。
そりゃあ政府側からすれば安定した財源(鬼)ですよね。
さらに「二重課税だらけ」という鬼畜っぷりで、例えばガソリンにかかる税やお酒、タバコなどには本体価格に加えてどれも酒税など「対応する税金がかかった後の価格」に対してさらに消費税を課税するので、消費者目線だと実質的に「税金に税金を払っている」状態になる、なにやら様子のおかしい税金です。
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相続税は必要な制度です…が、現段階の圧倒的控除額の低さと多重課税の構造が、国力を弱める方向に働いているのは否めませんし、消費税と法人税の歪みも中間層と小~中規模事業者を圧迫し、結果として消費も労働も出生率さえも悪影響を与えているように思います。
あ、そういえば消費税は輸出大企業による還付金の話もありましたね。
税は楽に騙し取れるところから奪い取るのではなく、平和で過ごしやすい環境のため国民側が税を払いたくなる、国全体が強くなる、そんな方向に設計されるべきだと感じます。
人増えれば税収増えるだろうし、知力にしろ体力にしろ個人能力がひたすら高まれば他の国にも影響すれうほど活躍してくれるんだろうけど…でも「小人閑居して不善をなす」というヤツで、私人公人関わらず誰しも余裕があったり時間あったりするとロクでもないことしかしないから、その塩梅は難しいものなのかもしれませんね🤣

