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「最低賃金程度の月収」とはどんなことか。

はい、とっても長いです。
5000字ぐらいあります、気合入りすぎました。

ので、要約しておきます。

最低賃金のラインではほぼ手残りが無い事を政府は統計で知っている、その上での設定。過労死ラインちょい前の残業代をアップさせるという奇行に走るも当然何も解決しない、今、稼ぎ方の選択肢は広がっている。自分をアップデートするしかない。

という事でそんな最低賃金程度の月収だった場合の内訳を想像してみました。

いくぜ!

とりあえず東京の最低賃金1,072円、年間労働日数240日で見ていきましょう。

ざっくり、最低賃金程度の月収とは見た目的にどんな額面なのでしょうか。

大卒の初任給が225,000円で同じぐらいの労働水準なので、
単純に1.31倍ぐらいになるのかな。

お休みは125日で見ています、就活ソフトが大好きな「日本郵政」や「キッコーマン」程度の年間休日ですね。ちなみにファストリは24万弱だし海外行きたい人は30万だし、すぐ店長やりたい人は実力が伴えばですが10万+ですが、年間休日は120日ぐらい。休みか、給料か、やりがいか。

で、↑の表は残業ナシ、1日8時間労働、休憩1時間の9時間拘束で働いたケース。

最低賃金程度の月収

171,520円でした。

で、ここから税金やら社会保険料が引かれていきます。
細かく見ていきましょう。

国税庁

給与収入は年間200万円程なので上から3つめですね。

収入金額(2,058,240円)×30%+80,000円 = 697,472円が給与取得控除。

給与による所得は1,360,768円となり

基礎控除が総所得に対して48万円ありますので追加。

社会保険料の等級は14、2号被保険者には該当しないので会社と折半で

健康保険8,500円、厚生年金15,555円で月間24,055円、年間288,660円。

こちらは支払いは発生しますが所得からも控除されます。
ちなみに介護保険第2号被保険者は、40歳から64歳までの人が該当です。

控除合計は768,660円。
で、先ほどの給与所得の1,360,768円から引いて「課税される所得金額」は

592,108円 (実際の課税標準額は592,000円)

所得税

所得税は一番低い税率5%に該当するのでシンプルに

29,600円

通常は控除の終わった課税される所得金額に税率を掛けて、控除額を引きます。

住民税

住民税は地域によって若干違うのでざっくりいきます。
市区町村民税(6%)と都道府県民税(4%)、それぞれの均等割額を累計5000円として

課税標準額592,000×6%=35,520、4%=23,680、均等割額5,000円に基礎控除2,500円で

61,700円

程度が住民税。

実際は源泉で所得税分や住民税分の控除やらもっと分かりづらいのですが、確定申告後かつ住民税の支払い後の所得は恐らくこんな感じでしょう。

まとめると

年間給与 2,058,420円

社会保険料 288,660円
所得税 29,600円
住民税 61,700円

手残り 1,678,460円
月間 139,872円

生活するのにかかる費用

東京でワンルームを借りるとして仮に6万円としましょう。
電気代6,000円、水道代2,000円、ガス代2,000円の計1万円として…

残り 69,872円

スマホを持っているでしょうから格安にしろdocomoなどの大手キャリアにしろスマートフォン本体の代金、通信費の平均的に月5,000円は下回らないと思いますので

残り 64,872円

食費は一日1,000円としても30,000円程度ですが、自炊するかコンビニ飯が多いかでかなり変わりそうです、昼晩だけでも1,000円では足りなそうですね。
政府の家計調査の統計によると59歳までの単身世帯の食費平均は44,000円程度らしいので、それを使ってみましょう。

単身世帯の平均食費

残り 20,872円

家具や服、趣味、交際費などその他費用に使えるのは1カ月でこれだけ。
使える時間は睡眠時間8時間、仕事9時間とすると平日に使えるのは食事や風呂の時間を含めて7時間弱って感じですね。

インターネットを利用していたり、Amazonプライムや動画配信の有料サービスに入っていればそれもかかりますね。

ほぼ何も出来ないし、ほぼ何もしないで1年過ごしても貯まるのは24万円弱の貯金。

長々と書きましたが地獄すぎる。
ああ…でもこれは普通にあり得る話なのか。

地方の最低賃金900円とかで1,000円出す企業は優良…になっちゃうのかな?

e-stat

そもそも政府の取った統計に単身世帯は172,324円かかっていると分かっているし、もっと言えば35歳以上は188,697円かかっている事も分かっている上で最低賃金がこれ…なの…か。

九州の一部地域、沖縄とか青森の最低賃金は現在853円なので

172,324円を残業ナシでクリアする為には最低賃金なら、
年間304日働かなくてはならないし、

188,697円をクリアする為には年間332日働かなくてはならない。

え?なら残業しろって?

厚生労働省

なるほど、60時間を超えたところで出る残業代が25%アップになるんですね。

厚生労働省が考える危険を認定する労働時間のラインを見てみましょう。

厚生労働省 労働基準局長 通達(基発第1063号)より

『脳血管疾患及び虚血性心疾患等(負傷に起因するものを除く。)の認定基準について』

(1)発症前1か月間ないし6か月間にわたって、1か月当たりおおむね45時間を超える時間外労働が認められない場合は、業務と発症との関連性が弱いが、おおむね45時間を超えて時間外労働時間が長くなるほど、業務と発症との関連性が徐々に強まると評価できること

(2)発症前1か月間におおむね100時間又は発症前2か月間ないし6か月間にわたって、1か月当たりおおむね80時間を超える時間外労働が認められる場合は、業務と発症との関連性が強いと評価できる

なるほど、つまり80時間を超えると過労死するかもしれないんですね。

60時間から80時間の間をどう攻めるかがポイントか…とは

ならないんですよ。

現在年間休日は104日以上が義務(厚生労働省より)です、1週2日相当以上は休みなさいってことですね、時間外労働の上限も定められており、月45時間、年360時間です。

172,324円を年間休日104日を守った上でクリアする為には最低賃金なら、毎日1時間以上の残業をしなければなりません。

188,697円をクリアする為には毎日2時間弱の残業…って年360時間超えてますね。
月45時間も当然超えていますので特例を申請しなければなりません。

平均的な消費支出、つまり生活する為の費用を稼ぎたいだけですが「臨時的な特別な事情がある」という事で申請すればクリア可能になるワケですね。

ほとんど自分の時間は無くなるし、お金も残りませんが…。

ぬぅ…。

以前最低賃金から日本の平均年収、海外との差などに触れましたが

日本人は文句を言いつつも、やり続けてきました。

我慢をし、水準が落ちないよう文句を言いながらも従い続けました、その気遣いや海外からは「うるさい」と言われるほどの拘りによって諸々を保ち続けています。

今も変わらず。

最低賃金は微量ながら上がり続けています。
もうそろそろ大卒の初任給に最低賃金が追いつくんじゃないかな。

海外との作業量の差は2倍、報酬は1/2
やっている内容の差は1/2、使う時間は2倍。

それはもはや「活動的でやる気のある能力の低い奴隷」のようなものです。

時間は間延びし、惰性はやる気や気付きを奪っていきます。
アルバイトの方がよく働き、気付く内容も業務改善に深くつながる事だったりすることはありませんか?

転職で自身の能力相当までの報酬につなぐ事も重要。

海外の「色んな企業を経験したやつは能力高い」はつまり「自ら転職する人が多い」という当たり前が存在する事で経営的に強い緊張が常にかかった状態となり、それが給料を上げ、待遇を良くしているんだと思います。

能力が高いヤツには給料は高く払っておくべきだし、働き方も気を遣うべきです。
能力が低いヤツには給料は安く払うべきで、本人の為にも早く出ていってもらって経験を積んで能力を高めてもらうべきだという流れは本当に重要だと思います。

アメリカは平均して日本の倍だから全員給料高いなんてハズは当然ありません。

将来性があるという以外なら能力があり、
実績や経験が伴うからこそ高給であるハズです。

長く働く事が正義で、能力は二の次。
協調性のある人物が正義で、実績は二の次。

こんな環境で伸びるワケがありません。

私は最近の脳死で転職させようとするコマーシャル、広告が嫌いです。
自分の意志で、自分の能力と相談し、転職の担当者と密に話し、ステップアップや適性な待遇へのチャレンジとして行う転職は意義あるものだと思いますが、それでも今の日本では「辞めたやつはまた辞めるから雇わない」と、罪人でも見るかのような目で見てくるなんて事もあるでしょうから、そんな中職を転々とする人は確かに「何かある」のかもしれません、そういう意味ではしっかりと意志を持っての転職でも軽々には出来ないのが現状のような気がします。

家庭に例えると、それぞれの家庭には独自のルールや守らなければならない規則があり、それに守られていた部分やメリットのある部分も同時に切り捨て「別の家庭に入る」ワケですから、相応の対応力や適応力が必要です。

もう高給取りなら今の世界でより高水準になる事を考えれば良いと思います、やりがいを求めて転職して、今までの方が良かったと戻っても受け入れてくれる企業はほぼ無いかもしれませんので。

給料が変わらないと嘆くよりも、
自身に出来る事を求めている場所で発揮するべく時間を使うべきです。

今はネット普及により様々な方法でお金を稼ぐ事が出来ます。

音声を文字におこしたり、SNSなどの動画編集のお手伝いをしたり、実際に手元のお手伝いをしたりしなくても「時間」が必要な事をお手伝いするようなお仕事を自分で探す事も出来ます。

文句を言うだけか、やれる事を探すか。

継続して依頼したい方を探しても良し、
年に必要な分だけを稼ぐ事を目標にしても良し、
自分の勉強も含めて期間を定めて目標に進むも良し。

実際に体験する事により学びになり、経験により精度も上がる事でしょう。

個人事業主になり自身で申告すれば青色申告による控除で税金はかなり抑えられますし、お金を稼ぐ事に使ったものは経費となり…ってまぁ、すべてが自己責任になるので安定収入とは程遠くなりますけども。

現状の不満を愚痴でこぼし続け、愚痴スキルも極めて上がっていけば同調する人が多くいる場合、発信力として価値が出るかもしれません。

出来る事が増えているから何をしたら良いか分からないではなく、
自身の行動に価値が付く方法を考え、自然なスタイルで稼ぐ事が出来れば小さな枠の人達が何を言おうと豊かな人生だと言えるのではないでしょうか。

Try not to become a man of success, but rather try to become a man of value.
成功者になろうとするのではなく、価値ある者になろう。

Albert Einstein(アルバート・アインシュタイン)

ではでは。

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