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【収用】収用か売却か、売り手も買い手もどのように着地するのか研究してみる - 大家の独り言

不動産大家として会社を立ち上げ8年目、いろんな話が入ってきますね。
今回は画像無し、ちょっとした研究内容というか備忘録です。

※本記事は個人の備忘録です、実際に計算する場合はセンセイに依頼しましょう。

◆収用を受け、さらに残地を売却するケース。
◆収用条件ごと物件を売却するケース。

どちらの方が相手は得をして、自分はもっとお得になれるのか。

条件
土地は200㎡、収用は15%で30㎡、上物はRC、収用の補償額は全て込みで20000万、路線価は購入時45万/㎡、売却時50万/㎡、5年超保有、建物の簿価はゼロ、返済残高は6000万。

収用を受けるケース

まず土地は簿価がずっと残っている為、譲渡時は取得価額としてそのまま控除する事ができる、そして建物は事業やら賃貸で減価償却していればその分も控除できる。

土地と対価補償額から土地建物の簿価を引き、取り壊しまで含め、譲渡所得の所得・住民税を払って手残り15000万、別途諸経費2000万、返済分を引いて

【手残り7000万】

残った土地は170㎡なので8500万、簿価7650万で850万。
所得・住民税+特別復興で20.315%=172万引いて
【手残り7000万+8328万で15328万】

売却するケース

収用条件を引き継いだまま売却するとして、物件価格は25000万とする。
その場合、土地の簿価は9000万なのでそれを控除して、16000万の所得・住民税+特別復興で20.315%=3250万引いて、返済分を引いて
【手残り15750万】

土地の簿価や建物の簿価によって大きく変わりますね。

買った人の手残り

そもそも収用が決まっている場所を買う場合、個人だと短期譲渡所得となり税率が39.63%までハネ上がるので個人は除外。

法人として試算する、残地も収用時に売却するとして

物件価格25000万として見た場合、土地と物件の按分は都心部なら割合は7:3。
土地17500万、建物7500万、20年償却で減価償却は年375万。

家賃収入から経費や管理費を引き、取得税や登記費用、火災保険に固都税、購入時の諸経費を引き、20年で借り入れ返済を引いて▲500万とする。

1年満室運用出来たとしても現在の低利回り物件で家賃収入と損金が初年度に分岐するのはかなり難しい、法人税がほぼ発生しなくても違和感はない。

収支:▲500万

簿価:25000万-(建物7500万-減価償却375万)=24625万

収用時の収益は上述の【手残り7000万】の時の計算を使う。
1年経過した建物の残存価値建物7125万に収用土地部分の1500万を控除、
取壊し費用や特別控除を入れ、純利2500万ほど。

収用部分のみの手残り→16300万

残地売却も上述の計算そのままだけど、土地は17500万で買っているので
残った土地は170㎡なので8500万、でも簿価17500万なので譲渡損失▲9000万。

譲渡損失▲9000万でさっきの純利2500万打消し→▲6500万(繰越控除10年可能)

残地売却による収益→8500万

残地を含めた手残り→24800万
返済残高→▲24200万
収支:▲500万

「手残り100万+法人は▲6500万で繰越控除」

当期純利益800万以下なら23.2%で計算するとして累計1508万円分相当の節税。

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以上、手残りが最も増えるケースは

「収用時の路線価で売れた場合の残地を含め全て売却した場合」

あとは物件価格が残っているほど売却側は旨いけど、購入側は全額支払って抵当権設定費用を回避しても100万程度の差で、例えば黒字が出過ぎる予定で収用時になんとか大きな赤字を出したいって事か、結構居そうですね。

収用後に家を作れるような余地があれば残地も文筆して家建てて余ったの売っちゃっても良いし借地権にしても面白いかもしれませんね。

まぁ家建てるって言っても新築価格は15年前の1.4倍とか鉄骨もRCに並ぶような価格に高騰しているようですので、やはり私は程よく耐用年数の残った中古物件が一番好きなようです。

ではでは。

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