選挙期間限定の水道料金無償化、都民の命と健康は駆け引きの道具なのか。

選挙が近くなると蕎麦屋の出前かの如く動き出しますね。

「準備してたから出来るしいつもこれぐらいの事やってます!今後もやっていくの、見れば分かるよね!名前、分かるよね!票、入れるよね!」

と、いそいそ異様な行動力で動き出す。

減税したり積極的な財政支出を伴う活動を見ると脊髄反射で「財源が…」とか国債を発行しようとすると「シンニンが…」とか言うのに選挙前の給付の為の1兆2兆は数日でポンと出そうとするし、東京都も事務コストや諸々含まず最低300億円レベルの支出もわずか数日で決まり、動きだします。

バラマキは効果がありそうなら選挙前に、基本料金だけ無償とかいう特殊な変更も数日で決定、本気でやれば決めた場所でアクションを起こせるのは昔からそうですが明らかですからね。

水玉ちゃん「東京都では、物価高騰の影響が続く中、今夏に予想される猛暑において、都民がエアコン等の利用を控えることがないよう、今夏に限り4か月分の水道料金の基本料金を無償とします。」
「夏はエアコン等の利用を控えることなく、熱中症対策を徹底してください。」

東京都水道局

水道料金の基本料金を無償とします。

いや…え?

夏はエアコン等の利用を控えることなく、熱中症対策を徹底してください。

水道料金ですよね?東京都のエアコンは水で動くのかな?

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水道料金の徴収額を減らすとか…実際には都が出しているのかもしれませんが他県や各自治体の事を考えれば見た目的にも基本料金を無償にするような時期ではありませんし、するべきではありません。

水はとても大事です、国民も適正な価格なら当然支払います。

…本当に何をしているのだろうか、埼玉県八潮市で陥没事故があったのは老朽化対策が出来ていなかったからで、点検はしていたけど保守までは出来ていなかったからあれだけの大事故になってしまったというのに…

ちなみに対象は口径25mmまで、4カ月合計は3,784円~6,424円。対象は800万世帯という事なので最低でも300億円が東京の皆さんに使う為のお金から消えます、東京都の水道局の負担がゼロならという前提ですがそれは恐らく無いでしょう。

東京都、今夏の水道基本料ゼロに…全800万世帯対象に4か月間 – 読売新聞

口径30mm以上の対象外の方はいい迷惑ですね。

300億円あればインフラの整備に教育に福祉施設強化にインバウンド対策に今後の東京都の為の活動としての選択肢は相当あったハズです。

それを選挙対策の為に自分の為に使うとは…昨今の目覚めた国民たちが黙っていないだろうに、まだ都合の良い操り人形ぐらいに思っているのだろうか。

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水道料金に関しては保守内容の精査や老朽化対策を行ってコストが増えたからむしろ負担が重くなるって事ならまだ理解できる、例えば

あれだけの陥没事故があったから各地で老朽化対策してる。財政支出も5年以内で耐用年数越えが無くなるレベルまで交換出来る相当額まで増える、でも国民も使うんだからもう少し負担を、1割…エリアによっては2割は上がる。

だったら「そうか、政府の支出もようやく…OK!」と言えるかもしれません。

しかしむしろこんな状態で排水管や下水設備の点検や修理費用として充てられるハズの水道料金の時限的無償化です、基本料無償の4か月後老朽化対策は現状維持で水道料金だけ上がるという未来しか見えません。

水道料金は日本が誇る水道事業を運営するための大事な収入源ではないのだろうか。

現状結果論で言えば政府の財政支援もまるで足りていないから老朽化し続けるインフラを保全出来ないのは明らかになったのに…選挙期間の4カ月間だけ、基本料金が無償、この時限的な今後無いような謎の作業は誰がするんでしょうね。

今まで以上に水道設備の運転費は削られるし集めにくくなるんでしょうね。
そもそも無償にする為のお金は誰からどう集めたお金なんでしょうね。

猛暑から都民の命と健康と暮らしを守るため今夏4か月間、水道料金の基本料金を無償とし、都民の熱中症対策を支援します

物価高騰下における暑さ対策にも資する取組として、都民の光熱水費の負担軽減につながるよう、下記のとおり水道料金の基本料金を無償とする支援を、今夏に限った臨時的な特別措置として実施することとしましたので、お知らせします。今年の夏は猛暑が予想されていますが、エアコン等の利用を控えることなく、熱中症対策を徹底してください。
なお、今回の措置は、都の一般会計から補填を受けて実施するため、水道管路の維持管理計画や水道局の財政収支への影響はありません。

都庁総合ホームページ「今夏4か月間水道基本料金無償熱中症対策支援」より

命と健康と暮らしを守るなら法人税を累進課税にして大企業から正当な法人税徴収して消費税減税してインボイス廃止して社会保険料下げて年金上げる為に動いてください…じゃない、真に都民の為に動いてくれる人に投票しなければなりません。

2025東京都議会議員選挙 – 選挙ドットコム

6月13日に告示、投開票は6月22日(日曜日)

現在の議席は

自民党29、都民ファーストの会26、公明党23、共産党19、立憲民主党13、日本維新の会1、東京・生活者ネットワーク1、自由を守る会2、諸派・無所属9

選挙区別の議席数、世田谷が最も多い8議席、練馬と大田区が7議席。

世田谷区は前回の投票率43.93%。

2議席の港区は前回の投票率最低の33.78%、港区の投票率が低いのはタワマンとか六本木だとか理由は様々ありそうですが、個人的には所得の多さで

第11表 課税標準額段階別令和6年度分所得割額等に関する調(合計)
(所得割納税義務者数・課税対象所得・課税標準額・所得割額)

東京イチ所得の多い港区民には都政はそれほど興味が無いものなのかもしれません。

↑の表は総務省の「令和6年度 市町村税課税状況等の調」より課税対象の合計所得を納税義務者の数で割ったその区の平均年収的なものです。

世田谷区は23区で最も納税者が多く、投票率も43.93%と高め。
やはり所得と投票率は関係しているんだろうか、というか足立区どうなってんだ…。

選挙に行く時間を割き難くなるのだろうか。

元データはこんな感じ、株の所得と所得控除をまとめてみると

港区は株による所得がぶっちぎりで、所得が高いので控除もデカい。

人口ではなく納税者で見てみるのもなかなか面白い、千代田区以外は納税者は人口の半分ぐらいのようです、残りは扶養親族とか生活保護者とか3号被保険者かな?

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水は低い場所に流れます、人は一度緩くなった環境が元に戻ると緩くなった理由に目を向けるのではなく元に戻った理由に目を向けがちです。今回のあからさまな選挙対策の動きが各地方自治体に長期的な影響が出ないよう祈るばかり。

まずは6月13日、そして6月22日…参院選前の一手目はどうなるか。

ではでは。

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