重言 – 典型的な重複表現で言葉遊び。 – play on words.

こんな文章を見た事があるだろうか。

いにしえの昔の武士の侍が、
馬から落ちて落馬して、
女の婦人に笑われて、
赤い顔して赤面し、
家に帰って帰宅して、
自分の妻の細君に、
遺書を書いて書き置きし、
仏の前の仏前で、
小さな刀の短刀で、
腹を切って切腹した。

「一番最初」とか「足の骨を骨折」など意味が重なった表現、
重複表現「重言(じゅうげん、じゅうごん)」で言葉遊びをしたものです。

誤用…とも言い難く、実際は文章の意味を強調したり理解を確実にさせるために普段使いされる事もあるようです。
(びっくり仰天・むやみやたら・好き好んで、など)

言葉の始まりは、1717年。

竜の駒にもけつまづき、馬から落ちて落馬いたしたと、片言やら重言やら

歌舞伎「鑓の権三重帷子」より

龍のように優れた馬でも躓いて、馬から落ちて落馬されたと、何らかの言葉の端なんだか重なった言葉なんだか。

コレをいじってこの言葉遊びが始まったという一つの説。

しかし面白い。

ちょっと分解してみましょう。

いにしえの昔の

いにしえ=古=かなたに過ぎ去ってしまった昔。

むかし=昔=遠く過ぎ去った時代。いにしえ。

武士の侍が、

ぶし=武士=甲冑の一形式の当世具足を身に着けた侍。

さむらい=侍=16世紀後半までの日本における官人の身分呼称。武士の別名。

馬から落ちて落馬して、

らくば=落馬=馬から騎乗者が落ちること。 

女の婦人に笑われて、

ふじん=婦人=成人した女性。

赤い顔して赤面し、

せきめん=赤面=恥ずかしくて顔を赤くすること。

家に帰って帰宅して、

きたく=帰宅=自分の家に帰ること。

自分の妻の細君に、

さいくん=細君=他人に対して自分の妻を謙遜していうこと。

遺書を書いて書き置きし、

いしょ=遺書=死を覚悟した人が残す文章。

かきおき=書き置き=知らせたい相手が不在の場合の置き手紙、または死後のために書き残すこと。

仏の前の仏前で、

ぶつぜん=仏前=仏壇や位牌または仏の前

小さな刀の短刀で、

たんとう=短刀=長さ一尺(約30cm)以下の短い刀。

腹を切って切腹した。

せっぷく=切腹=自らの腹を切って生命を絶つ方法。自決。

・・

・・・

細君あたりがちょっと怪しい感じでしたが、

重複した表現はワリとしてしまっていると思うので、気を付けていこう。

私自身、最初とか最後って言葉に「一番先・後」という意味が含まれているのに

「一番最後で良いよ」

みたいな使い方はよくしているが、
まぁ周囲で誰も違和感が無ければ良いような気もしている。

他にも良くありそうな二重になってしまう表現として

・いまだ未解決
・受注受ける
・後で後悔
・内定決まった
・訳を知って理解した
・連続で続ける

などなど、言ってしまえば

動きのある漢字二文字では結構やってる。

イメージ。

いまだ未解決事件の受注を受けた、後で後悔する事になるとは…。

あれ…あんまり違和感無いな。

後で後悔する事に…みたいなのはありがちだから?

それとももう私が染まってしまったからか…?

いにしえの昔の武士の侍に…
の、現代版もあれば違和感を学ぶ事が出来るかもしれませんね。

ニホンゴムズカシイ

ではでは。

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