続・【収用】収用か売却か、売り手も買い手もどのように着地するのか研究してみる - 大家の独り言
先日収用に関して色々と考察したものの続き。
収用を受けた不動産の処理方法による手残り比較と税務インパクトの試算を行い
【収用を受けて残地を売却するケース】
【収用条件付きで物件を全て売却するケース】
で比較しましたが、残地の実勢価格や更地による開発単価を想定していなかった。
…ので、再度研究してみる。
おさらい
土地:70坪
譲渡及び寄付部分:10坪
収用補償:2億円
借入を返済後土地を更地にした状態の手残り:7000万円(特別控除込み)
残地:60坪
問題点:残地を売却した場合は控除が薄くなるので同じ時期に売却すると税金が高くなるが、開発タイミングで売却した方が圧倒的に高額である事。
収用後に土地を売却しようが収用条件付きで物件全体を売却しようが手残りはほぼ同じようなものという試算に落ち着いたが
とんでもない。
「収用があるようなエリアの更地状態」という条件を考慮していませんでした、そうした最近収用があったエリアの実勢価格を見てみると…
路線価:坪120~140万円
収用+補償:坪170~190万円
実勢価格(国交省の土地の成約事例):坪280~310万円
という、更地による開発前提単価の存在。
取引時期まで公開されている事例だけで見ても収用がある場所で更地という「強み」…それを考えれば60坪あれば16800万~18600万となり、手残りだけを考えるなら収用後に残地を売却するメリットは甚だしくなる。
さらに物件として売却する場合は更地による開発事業者への売却メリットを加味して売却するとして「収用条件付き、収用までに更地可能」ならば買い手側は節税効果含め40000万で分岐とすれば残地売却の交渉が強い人であれば持っている時は低利回りの物件として、収用時は交渉によりチャレンジ可能ならば買い手は付きそう。
…まぁでも4億で売っても更地にできるなら開発事業者に一般的な売価で売った場合の手残りには敵わないので、普通に残地を開発業者と交渉した方が良いですね。
不動産として売却すると4億で売れたら仲手は3%なら1200万、価格が上がるほど手数料はエグい事になるし調整されても結局お得な控除制度が使えなくなるので、
収用→残地は更地→収用後は交渉していた開発業者に流れで売却
が最もシンプルかつ効果的。
むしろ高額で設定して特殊な外国人に買われて開発が進まないとかの方が地域の為にならないし将来に問題を増やす行為になってしまいますね。
手残り最大化を目指すための問題点と試みる事
① 収用部分の特別控除は5000万あるが、同時期に残地を売却すると他の控除が使えない、残地売却を翌年にずらして別枠で大きな控除が取れないか。
つまり残地売却の時期を変更できるか相談する…という事ですが、これは結構厳しくて、税制的には自宅が建っていた土地なら、土地だけだったとしても一定の居住実績を示せれば結構な控除が取れる場合がありますが、開発ありきの売価だとすると遅れればその分価値が薄まる可能性もあります。
② 利益が税務的に孤立しやすい個人収益から法人へ。
収益物件を扱う新設会社で支出を圧縮する、減価償却も固都税も火災保険も修繕などなどただの支出から経費に変化する事で節税、手残り増加。
資産移転の為の自由度も持たせられる、収益に合わせた解散までの法人設計を綿密に行う事で将来的な手残りを最大化させる。
法人に購入させるメリットメモ
・火災保険や一部大型家具や諸費用など経費化で幅が広い
・相続対策になる
・個人の所得税率よりも法人税率の方が低い
・収益物件にしろ自宅にしろ総合的に報酬で調整可能
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その場所が気に入っていて、残地でも良いのでもう一度家を建てたい!という場合はもちろんそれでも良いのですが、現在進行形で上がり続ける新築の坪単価高騰や職人リスク、建築期間等々を飲み込めればという条件付き。
新たに借金をこさえる可能性もありますから、自身の年齢などステージによっても方向性が変わる話だとも思います。
こうした話で考えすぎるという事もないと思いますので、妻を巻き込みつつ日々考えていきたいと思います。
迷惑か~🤣
