60歳から75歳までの健康保険やら繰り下げやら繰り上げ年金受給周辺のアレコレ。

計算式もちゃんと書かれていないし、基礎部分と厚生部分で計算方法や扱いが違うし…分かればシンプルですが本当に複雑ですね。

例えば自分でやるとして60歳段階ならまだしも、70歳とか75歳の段階でさぁ受給だっていきなりこの計算させられたら思考停止する自身があります。

親の分を計算するついでに今の内にしっかり自分に落としておかなくては。

前提

◆ 年金には60歳から受け取れるけど額が減る「繰り上げ受給」と75歳まで待機する事で額が増える「繰り下げ受給」がある。

基本額が80万円だとして計算すると

60歳から受け取るなら30%減で年56万になり月4.7万弱。
75歳から受け取るなら84%増で年147.2万になり月12.2万程。

凡そ2.6倍違いますが、90歳まで受け取ったとして…

60歳から受け取る場合、90歳の段階で総額は1400万円。
75歳から受け取る場合、90歳の段階で総額は2324万円。

総額の違いは1.6倍程です。(あくまでも総額、税や諸控除は除く)

◆ 国民年金の支払義務は60歳まで、厚生年金の支払義務は70歳に到達する誕生日の前日まで、資格喪失届の申請書は誕生日の前月に届く。

国民年金の義務は60歳までだが、40年に足りない場合は65歳まで支払う事が可能。
厚生年金の義務は70歳の誕生日前日まで、70歳を過ぎて受給資格を満たしていない場合は「高齢任意加入被保険者」という形で任意加入する事も出来る。

年金を受け取るためには最低10年(120カ月)以上必要な為、70歳から75歳まで任意加入したとして累計加入期間が10年に届くか留意する。

64歳から加入して75歳まで支払い続ければ受け取れる、例えばその場合10年間国民年金を支払うと200万円程度、繰り下げ受給で75歳時に得られる年金額は年36万円ほどで90歳まで25年間受け取ると900万円ほど。

◆ 老齢基礎年金はどれだけ所得が多くても全額受け取れるし基礎と年金は分けて受給する事が可能、支給調整されてしまうのは老齢厚生年金部分。

全てが対象ではないし、別々に受け取る事も可能。
令和6年度の支給停止調整額は月額相当額で50万円まで、賞与も含まれるので注意。

◆ 健康保険料は国保も社保も65歳で一旦区切り、65歳の誕生日前に国保なら市区町村から届き、社保なら会社に「後期高齢者医療制度に移行」する旨の申請をします。

後期高齢者医療制度は市区町村それぞれ違うので例として「台東区」で見ると現状の保険料計算は

「所得に8.78%もしくは9.67%を掛けた金額に均等割額47,300円を足した額」

なので、社会保険料の9.98%とほぼ変わらない金額を全額負担するようになる。
国保の場合は控除なども相まってそれほど変わりませんが、社保だった場合は折半されなくなる為、同じような所得だった場合負担は増える。

◆ 年金の繰り下げ増額の計算は「65歳時の年金額」からではなく、繰り下げ受給を開始した「その時」の年金総額(基本額)を基に計算される。

例えば65歳時の年金満額が70万円で75歳の受取時80万円として計算した場合

誤:65歳の年金満額70万円に対して75歳に受給、+84%で128.8万×
正:75歳の年金満額80万円に対して75歳に受給、+84%で147.2万〇

もしも受け取る時に減っている場合は少なくなる。
65歳時の年金満額が70万円で75歳の受取時60万円として計算した場合

正:75歳の年金満額60万円に対して75歳に受給、+84%で110.4万〇

年金満額が多い時に繰り下げ受給の申請が出来ると「タイミングが良い」という事に者:816,000円)

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つまり流れとしてはこんな感じ。

60歳 国保〇国年△/社保(健・厚年)〇/年金繰上げ-30%
61歳 国保〇国年△/社保(健・厚年)〇/年金繰上げ-24%
62歳 国保〇国年△/社保(健・厚年)〇/年金繰上げ-18%
63歳 国保〇国年△/社保(健・厚年)〇/年金繰上げ-12%
64歳 国保〇国年△/社保(健・厚年)〇/年金繰上げ-6%
65歳 国保×後期〇国年×/社保(健×・厚年〇)/年金+-0%
66歳 国保×後期〇国年×/社保(健×・厚年〇)/年金繰り下げ+8.4%
67歳 国保×後期〇国年×/社保(健×・厚年〇)/年金繰り下げ+16.8%
68歳 国保×後期〇国年×/社保(健×・厚年〇)/年金繰り下げ+25.2%
69歳 国保×後期〇国年×/社保(健×・厚年〇)/年金繰り下げ+33.6%
70歳 国保×後期〇国年×/社保(健×・厚年△)/年金繰り下げ+42%
71歳 国保×後期〇国年×/社保(健×・厚年△)/年金繰り下げ+50.4%
72歳 国保×後期〇国年×/社保(健×・厚年△)/年金繰り下げ+58.8%
73歳 国保×後期〇国年×/社保(健×・厚年△)/年金繰り下げ+67.2%
74歳 国保×後期〇国年×/社保(健×・厚年△)/年金繰り下げ+75.6%
75歳 国保×後期〇国年×/社保(健×・厚年△)/年金繰り下げ+84%

実際に何歳で受け取れば〇〇円になるという計算する場合はとりあえず今の年金総額が分かるならその金額に繰り下げた場合の率を当てはめてみましょう。

例えば基礎年金と厚生年金合わせて65歳で150万、月に換算すると12.5万円。
月に20万ぐらい欲しい、72歳で受け取ると58.8%で238.2万で月換算19.9万円。

のように見るのも良い。

70歳から厚生年金は社保から外れる、健康保険は社保で払っていた人はそのままなら負担が増えるが控除額も同様に増えるので翌年の所得税や住民税が軽くなる、老齢基礎年金はどんな状況でもちゃんともらえるけど、厚生年金はたくさん稼いでしまうと減らされる、繰り下げて増やせるけど計算は未来に持ち越し、繰り上げて先にもらえるけど額が少ない。

もう本人(老人)に理解させる気ないだろという圧倒的に複雑な仕組み、まだまだ前提を触っただけ、理解を深めていこうと思います。
俺が息子で良かったと親父に言わせよう、うん、そうしよう。

ではでは。

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