テラとかギガとかメガとか。SIなら?2進なら?どこが決め、何故こんな不明確なのか?

1TBって何GB?どのぐらいのサイズ?

答えは1000GB。(国際単位:SIでは)

その他の単位にすると100万メガ、100億キロ、1兆バイト、10の12乗と言えます。国際単位系(SI)で定められている1000のべき乗の単位は1000倍ごとに接頭辞(テラとかギガとか)が付くわけです。

SI接頭語

「え?でも4TBの外付けハードディスクを買ったんだけど、取り付けたら4TB無かったよ?」
「はい、その通りパソコンでは4TBありません。でも、それが正しい4TBなんですよ、と言えます。」

は?

…と、なると思いましたよ、ええ、ええ。
ごめんなさいそういうつもりじゃないんです、でも実際そうなんです、ちゃんと噛み砕きます。

まず、Windows(OS)では↓こんな感じで「バイト」という最小単位で計算します。
ここで容量の欄に注目してみましょう。

9989億6590万7456バイト 930GB
と、なっています。1兆バイトなら1TBだから1TB=1000GBで1000GBなんじゃ?
壊れてる?というワケではありません。
表示のカラクリは
9989億6590万7456バイト ÷ 1024 (KBへ単位UP)
9億7555万2644キロバイト ÷ 1024 (MBへ単位UP)
95万2688メガバイト ÷ 1024 (GBへ単位UP)
930ギガバイト = 930GB
という訳です。2のn乗で計算すると、1TiBは1000GBでは届かないんですね。
先ほどのSI接頭辞(国際単位系)の方はメートル法から派生したものだし、両方使うと混乱するからデジタルの計算なら2進接頭辞に統合しようよ!
となってSI接頭辞と区別する為に1998年に国際電気標準会議(IEC)が新たな2進接頭辞を承認しました、それが今の計算↓の表です。

聞きなれませんねぇ…キビとかメビとかギビ。
なんと20年以上前に承認されていたこの接頭辞、まだ常用されていないんです。

しかしそもそもですが前からWindowsでは2進接頭辞を使っており、認知度的にSI接頭辞を表示しているだけであって、今さら「外」が新規格になってもあまり変わらない気がする、GoogleやAmazonなどもIEC規格を使うようになればより混乱を止める事が出来るって感じか。

新基準はあるけど、一般的に使われてないし、変えたら分からないし混乱する。
マーケティング上も930GBより1TBの方が見栄えが良い。

まとめるとこうか、新基準を使わない理由の方が強いですね。
言うなれば世界のコンピュータに関わっている業界がIEC(国際電気標準会議)の決めた基準を無視し続けているという事ですね、んん。

実際はWindowsの表記はバイト計算なのだから、TiBとかに変えても容量少なくなったじゃないか!みたいなクレームにはならないだろうし、今からでもどこかのタイミングでやっちゃった方が良い気がするけどなぁ。

注)ここから先はただ私が「結局どこが決め、何故こんな不明確なのか」を知りたくて調査したものをまとめたものです。

1875年5月20日
メートル条約締結(パリにて、17か国が会議に参加・署名)。
メートル法に関する条約、税金やお金、土地計量の国際的な統一が目的。
ドイツ帝国/ハンガリー帝国/ベルギー王国/ブラジル帝国/アルゼンチン共和国/デンマーク王国/スペイン帝国/アメリカ合衆国/フランス共和国/イタリア王国/ペルー共和国/アルガルヴェ連合王国/ロシア帝国/ノルウェー連合王国/スイス連邦/オスマン帝国/ベネズエラ共和国
古代ローマから使っている度量衡が複雑すぎて、場所によって微妙に違うし混乱の極みだったようですね、統一素晴らしい、結果まだ出来てないけど。日本は1986年に加盟して、使い始めたのは1966年のようです、なるほど、だから昔の職人さんは尺貫法を使うんだね。
そして国名に歴史を感じます、ん?アメリカは南北統一後ってことはギリギリリンカーンじゃなかったか、なんだか残念。

1960年
ほとんどすべての物理量を包括する為、メートル法から発展。
SI=système international d’unités
SI=International System of Units (国際単位系)
そもそもメートル法がフランス発祥なので、略語はフランス語の方からのようですね。
SI接頭辞は10進なのに慣用的に2進を使うってのはそもそも2進を使うのが一般的で、今また2進に固定するって事は結果だけ見ればここでの設定が失敗だったんでしょうね。

1998年
国際電気標準会議(IEC)で、混乱するから2進だけ!んで名前変える!
これまたフランス語圏、スイスジュネーヴに本拠地。
ISOとかJISもIECの規格に従っている、でも普及は進んでいない。
上述の理由だけじゃない気がしてきたよ…!

そして現在に至る。

うーん、人類はどんどん高容量高出力のものを扱えるようになってきているから、n乗が増えるほど誤差が大きくなる…っていうかテラバイトで既に10%違うわけだから、16TiBの壁などの問題もあるわけだからこそ本格的に一つにまとめないといけない訳ですね。

ここに新たな項目を追記する日は来るのだろうか…。

ではでは。

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